超おひとりさま社会の住生活を考える

2021年04月13日

ホームズを運営しているライフルより面白い記事が掲載されたいましたので紹介します。

弊社でも昨年から単世帯の住宅購入のお問い合わせがチラホラございます。通常の3LDKや2LDKを購入されてお住まいになるというより立地のよい30㎡から40㎡のマンションを購入されフルリノベーションされるケースが・・・

そこっで問題になるのがいろんな税の優遇制度・・・

幅広く対応していただきたいと痛切に感じます。

 

 

現在そして未来の日本でもっとも一般的な暮らし方、それはひとり暮らしです。2020年時点で日本の単身世帯数は約1934万世帯。一般世帯総数の35.7%を占め、2040年には約40%に達します。本格的なおひとりさま社会の時代が、いままさに到来しているのです。 日本の単身世帯の住まいの幸福度は、二人以上世帯に比べても、また海外(デンマーク)の単身世帯と比べても著しく低いことが分かっています。 今回は、これまで満足度で測定していた住まいの幸福について、ウェルビーイングの概念を導入して多角的に点検し、超おひとりさま社会に求められる家や街のあり方を考えます。また、今後大きな社会課題として認識されると思われるひとり暮らしの孤独について、その実態を確かめ、今後の議論の材料として共有します。

 

 

 

かつてひとり暮らしは、親元を出て結婚するまでの数年間を過ごすための期間限定的な世帯類型であると考えられていた。

その需要に応えた賃貸のワンルームマンション・アパートは、数年で入れ替わる若者の一時的な需要に対応する仮住まいであった。ところが、先に統計で確認した通り、現在ではひとり暮らしは決して若い時の一時期的な特殊な住まい方ではなく、日本人のごく普通の暮らし方になっている。にもかかわらず、単身者向けの住宅であるワンルームマンション・アパートは、建物の計画においても管理や運営面においても、この変化に対応した進化を遂げていないように見える。要するに顧客として雑に扱われているのではないか。そしてそのギャップが、単身世帯の住まいの幸福度(満足度)の低さ、さらに孤独感の背景にもなっている可能性が疑われる。

昭和の人口増・経済成長期から一貫してファミリー世帯の持ち家取得を中心に据えてきた国の住宅政策もまた、時代の変化にまったく対応できていない。国から個人への直接の住宅支援はことごとくファミリー層・持ち家に集中しており、単身者・賃貸住宅については、関心すらないように見える。

たとえば、個人に対する住宅支援策の柱である住宅取得時の各種税金(固都税、登録免許税、不動産取得税)の軽減と住宅ローン減税・すまい給付金は、対象が内法面50m²以上の住宅に限定される。明示こそしていないものの、事実上は単身世帯を想定していない制度である。また二世帯同居の世帯数は減少の一途であるにもかかわらず、二世帯住宅の建設やリフォームには補助金が用意されている。いかにもバランスを欠いていると言わざるを得ない。

単身世帯・賃貸住宅を対象とする公的な支援は、歴史的にもほとんどなかった。1950年代に設立された日本住宅公団(現都市再生機構・UR)や地方公共団体の公社が供給していた公的住宅もファミリー向けに計画され、独身者は入居資格すら与えられなかった。現在では単身入居を受け入れているものの、高齢者や障害者、低所得者などに限られている場合が多い。公的な住宅政策の手薄さは、独身寮や住宅手当など企業の福利厚生が補完していたが、バブル崩壊後には大幅に後退した。単身者向けの住まいは、いきおい民営の賃貸住宅市場に委ねられることになるのだが、景気対策の色濃い民営賃貸住宅への公的支援は、オーナーの節税効果を狙った建設コストに回収され、市場の競争原理は、建物の質など居住環境の向上させる方向にはあまり働いていない。手頃な家賃の良質な賃貸住宅の供給促進を狙った特優賃(特定優良賃貸住宅)も、65m2以上が条件となり単身世帯は蚊帳の外である。住宅・都市計画を専門とする神戸大学の平山洋介教授は、早くからこの住宅政策の偏りを指摘してきた。

「持家社会は、けっして人びとの全員に貢献する社会ではない。この社会の態度は標準パターンのライフコースを歩む人たちに温かく、そこから外れた人たちに対して冷淡である」(平山洋介( 2009)『住宅政策のどこが問題か〈持家社会〉の次を展望する』光文社)

住宅政策が前提とした標準パターンのライフコースを歩む人とは、平山によれば「梯子を登る人」と表現される。「家族の『梯子』において結婚し子供を育て、仕事の『梯子』では安定した雇用と所得を確保し、住まいの『梯子』を登って持ち家を取得する」ことが「普通の人生」として想定されている。戦後昭和時代の政府は、核家族化と持ち家政策によって保守的な分厚い中間層をつくり、統合していくことで、社会の安定化と経済成長を図った。しかしさんざん述べてきたように、人口動態から見る限り今この社会では、かつての“標準パターン”はもはやマイノリティであり、“外れた人たち”のほうこそ“普通”と考えるべき状況になっている。住宅政策のOSのアップデートを促すアラートが点滅しているように思う。

本報告書の議論は、これまで政策と市場で軽視されてきた、あるいは見過ごされてきた、未婚単身世帯の住まいの幸福と不幸に光をあて、超おひとりさま時代に向かう社会の「住むこと」に対する問題提起をするものである。

 

                                                                             文:LIFULL HOME'S 総研所長 島原万丈

 

 

住宅に真摯に向き合いライフスタイルの多様性にも対応できる住宅を検討することが必要ですね♪

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